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バリトン伊藤(以下:バ)渡部さんのお宅は
代々農家なんだすか。 |

渡部(以下:渡)私で4代目、代々稲作農家の跡継ぎとして育ち、就農しました。一時期は家具の販売の仕事もしましたが、本業は農家、米づくりが自分の本職だとずっと思ってきました。でも、米づくりの環境はその間にもかなり変わってね。昔はつくっただけ売れたし、収穫量を増やすことを目標にしていればよかったけど、いい米をつくらないと売れない時代になりました。うちでは、18年前から取り組み始めた農薬と 化学肥料を半分以下に抑えた特別栽培米を含め、あきたこまちを中心に、4haで栽培しています。そのほか、特産すいかの「あきた夏丸」やミニカリフラワーを栽培しています。
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バ:雄物川流域のこの地域は、きっとおいしい米がとれるんだすベ? |

渡:この町は、雄物川流域の肥沃な土壌に恵まれていますが、全部同じ土質っていうわけではないんだすよ。特にこの地域の東側は、土が軽くて、水はけがいいからおいしいすいかの栽培にはぴったりです。逆に、西側は粘土質で保水率が高いので田んぼに向いている。だからいい米ができるんだすな。

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バ:特別栽培米を作るには最高の条件だすな。
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渡:最初はたいへんだったすよ。私が特別栽培米を作り始めた当時は、米の消費量や値段が下がり始めたころでした。それまでは、たくさんとることが最優先だったけど、これからそうはいかなくなると思いました。そこで、県やJAの指導を受けて、農薬や化学肥料を半分に減らした特別栽培米を作り始めたんです。最初は、JA管内の農家30軒以上参加したすな。いい米をつくれば、また値段も上がってたくさん食べてもらえるようになると思ってね。でも、それほど簡単な技術ではありませんでした。化学肥料を減らすかわりに、有機成分の多い肥料を使うんですが、効き目が遅くて以前のような収穫量が上がらなくなったんだすよ。それで栽培をあきらめる農家も少なくなかったですね。苗を育てるプール育苗で、苗づくりに必要な農薬をカットしています。こうした工夫で、農薬の使用量を65%削減することができました。
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バ:渡部さんはやめようと思わなかったすか?
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渡:うちも、10a当たり600kgとれていた米が2割も落ち込んでね。手間暇はかかるし、なかなか収穫量も上がらないから、途中ちょっと休んだこともありました。でも、この技術をあきらめるわけにはいかないと思ったす。この2?3年でやっと以前の1割減程度まで収穫量を回復することができました。一番嬉しいのは、やっぱり土壌や米質がよくなったことだすな。
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年々、びゃっこづり(少しずつ)だども、確実によくなっています。この手応えは大きいすな。5年前にできたうちの営農組合でも、この技術を取り入れてあきたecoらいすという減農薬米の栽培に取り組み始めました。
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バ:がまんしてつくり続けた甲斐があったすな。 |

渡:いい米をつくる努力と手間暇を続けていかなければ、米づくり農家は生き残れない。でも、後継者もなく、そんな手間暇をかけられない農家がみんな米づくりをやめてしまったら、土地は荒れる一方です。この状態が続けば、10年後には田んぼもずいぶん減ってしまいます。だから、米づくりにかかわる農家の人手と技術を集約して、いい米を効率よくつくるしくみが必要なんです。
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バ:それが営農組合を作るきっかけ? |

渡:営農組合に参加しているのは20名ほど、年齢層も高くて50代半ばの私でも、かなり若手(笑)。現在、組合全体では、30haで、あきたecoらいすなどのあきたこまちを中心に栽培しています。意欲的な農家も多いので、兼業で週末しか作業ができない人、後継者がいなくて人手に困っている人を助けて集落全体の米づくりを支えています。そういう力がこれからの農業を引っ張っていかなければいけません。
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バ:これから、やってみたいことはありますか。 |

渡:直播でもっといい米をつくりたいと思ってね。春作業は、年間を通じた米づくりの作業で、最も人手や手間暇が必要です。田植機に苗箱を一つ一つ積み込む田植え作業や育苗の労力は、年間を通じた作業の1/3を占めます。種籾を直接田んぼに植える直播にすれば、これまでの春作業を1/5程度まで省力化できます。育苗にかかる資材コストの節約もぜひ実現したいところだすな。
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バ:渡部さんもまだまだ若手だけど(笑)、
次の世代もちゃんと受け継いでくれればいいすな。
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渡:んだすな(笑)。
バ:これからはすいかの
収穫の時期だすべ?
渡:今年は1週間ぐらい遅れてて、これから最盛期だすな。
バ:いいなあ!おれ、すいかだいっ好きなんだすよ。手伝いにきてもいいすか?
渡:いやあ助かるすなあ(笑)。 |


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