ドイツでの農業研修でも、信頼ある人間関係が一番だと感じた。
変化する農業情勢の中で感性を磨くことができた。
(社)国際農業者交流協会*が主催している海外派遣農業研修に参加し、ドイツでホームステイしながら農業を経験したことが、今もとても大きな考え方の柱となっています。
農業短大を卒業後、平成5年3月から一年間。今から10年以上も前のことだが、国際社会に生きる者として海外の農業を感じることは自分自身を磨くことにつながりました。
どんなことにも挑戦してみようと思う性格なので、この海外研修の存在を知った時は「よし!行ってみよう!」と思いました。ドイツの他にもデンマークやスイス、オランダといった国で研修できるシステムになっているんです。
海外研修の経験は、特に人との繋がりを学んだ一年でした。
農家同士のつきあい。生産者と消費者の距離……。
例えば、ドイツで週末に行われるマーケットには有機野菜が並ぶ。
遠方からガソリン代をかけて買いに来る消費者は、日本人感覚では高いと思う金額を支払い購入。商品は新聞紙に包まれ、お代と交換。開店後、間もなく商品は売り切れる。
商品パッケージもいらないし、マーケットで目立つようにシールなんて貼らなくていいんです。
消費者が自分たちの責任、意志で商品を選び購入し、農法にまで興味を持ち生産者と会話をする。「食」に対する意識の高さを感じると同時に、清潔なパッケージやシールの情報に惑わされない、賢さと強さを感じます。
選ぶ側が「良質な商品はそれなりに高価」と当たり前に理解しています。
ドイツの人たちは自分の味覚を信じ、自分が購入する店や生産者を自分の責任で選んでいる…15年も前のドイツでの話ですが、とても衝撃でした。
残念だけど、日本ではまだまだ生産者が遠い分、パッケージやシールから情報を得て、よりきれいに見えるモノを購入するケースがほとんど。しかし、ドイツの方に「日本は過剰包装だ」と言われたことがあります。
環境先進国ドイツのマーケット展開は今後興味深い話題と課題になってくると思う。
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非農業者の若者たちも全国から集まる海外農業研修。
そんな若者に「なぜ、農業を?」なんて私は聞かない。
「農業をやってみたい」。理由はそれだけで十分でしょ(笑)。
この海外派遣農業研修に参加する人たちの中には、非農業者*の方もたくさんいるんです。
実際、農業を仕事としてスタートをすることを考えると、土地や農機具などを購入するリスクを考えてしまい、決断も鈍る。だから、若者が就職を探すみたいに農業という仕事を「まずやってみよう!」と思う人が少ないのだと思う。
担い手として、非農業者(新規就農者)の受け入れ間口を広げる事も大切だと思う。
「農業をやってみたい」。そう思う人が農業をしていくのが一番だと思うんです。 ドイツではクラインガルテン*の文化があります。
直訳すると「小さな農園」という意味ですが、非農業者の方たちが、小さな区画で農業をするのです。私のような専業農家に苗を買いに来て、小さな区画で花や農作物を育てたりしています。「虫がついた、病気になった」という時には苗を購入した専業農家へまめに相談に来ます。クレームではなくて相談なんです。
「あなたのところで買ったら虫がついた!!」ではなくで、「どうしてそうなったのかな」と。
園芸マイスターには、それに答える義務がありますから、そうしたコミュニケーションによって本物を見極められる消費者になっていくのかもしれません。
日本でも減反により余っている田んぼがたくさんあります。
それを貸し出して、クラインガルテンの文化と日本独自のやり方を融合させたシステムが出来たらいいなあと思っています。
新規就農者の方がとっかかりやすい、試しやすいような農業の玄関口を分かりやすく形にしていけたらと思う。
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地域のみなさんにはいつも「ありがたい」と心から思う。
だからこそ地域活動に意欲的になれるのだ。
平成9.10年と秋田県近代化ゼミナール連絡協議会県連会長を務めました。
私の任期中の講習会では、農業に関するスキルアップでもなく、講演でもなく、救急救命の講習を行いました。
地域との共生を考えた時、お年寄りが多いこの地域で、私たち青年が出来ることだと思ったからです。農業の講習や講演ももちろん大切なことですが、地域を考えることでその活動の幅は広がります。
今年3月には青年会の湯沢支部で老人ホームコスモスの窓ふきや草刈りを行いました。
後継者を考えた時に、農業のことだけをしていても農業の魅力は伝わらない。
世の中の役に立つことをしていくことで、農業人の生き方が伝わると思うのです。
地元のお父さんたちのグループと庭の草を刈った後に、ハーブを植えました。
このハーブは「アジュガ」といって、草が生えないうえに夏には花が咲きます。
ただ、草を刈ればいいのではなく、今よりもっと感動できる場所になるように活動にしていく。それを考えることがリーダーになる人たちには必要です。
冬はブルドーザーで雪かきをしますが、湯沢の道路の雪かきは最高にきれいですよ(笑)。
小道まできれいに雪かきしますから。秋田市内じゃ考えられない高テクニックでないかな(笑)。
大雪の時は秋田市内から雪かきの研修に来たりしていました。所変われば自分たちの技術が高いことを気づかせてくれる。
大雪に対しても全県で技術も知識も共有して冬を乗り越えた。
集落営農にしても自分たちが良ければ良いのではなく、JAこまち北部支店で600ヘクタール規模の農業を円滑に進めていくシステム作りがこれからの課題だと思っています。
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6ヘクタール規模で酒米を栽培。
種苗交換会では「あきた酒こまち」で県知事賞を頂きました。
豊かな自然と家族のような地域のみんなに感謝です。
私の家では酒米も生産しています。湯沢市の清らかな水、そして気象条件を味方に美味しい酒米を作り続けたい。そのためにも安全安心は農家だけの問題ではなく、家庭から出るゴミや水も視野に入れて地域みんなで美味い米を作って行かなければならないと思う。
家族や地域の協力無くしては絶対に良いものが作れないから。
農作物も環境が全て。また、私たち人間も生きてきた環境に影響を受けています。
小さいときから農業が大変だとか、やりたくないとか、そんな言葉も感情も私の環境には一切なかった。
もし、それを親の口から聞いていたら「農業よいでねーなー(大変だな)」って思ってたかも(笑)。
今、思うのは、親父やおふくろが嫌な仕事してると感じたら、私は絶対農業をしていないということ。
毎年4月5月の2ヶ月間、先ほどもお話した海外研修の先輩として、これから海外へ行こうとする若者たちの教育研修を毎年1名引き受けています。埼玉、和歌山、茨城、神奈川、大潟村、北海道などからやって来ますが、とにかく海外での生活をイメージさせて「礼儀」だけは覚えてほしいと思っています。海外では言葉が不自由ですから言い訳が一切できない。失敗をしたり誤解を招いた時でも、必死になって信頼を勝ち取らなければならない。ホームステイをして存在感という居場所がないのはとても辛いことだから。
知らない青年を我が家に受け入れること(研修)を自分が行ってきて、改めてドイツの家族の温かさや大変さを感じています。そして、家族や地域の協力がなければできないことだということも。
地域の方が研修生に「おはよう」「ごくろーさん」「どこから来たの」などと声をかけてくれるからこそ存在、居場所を感じ、彼が成長出来ることなのです。今まで一人ぽっちで食事をしてきた研修生は、食事中に肘をついて食べたり、がっついて食べたり。でも、我が家で食事をしているうちに自然と直ってきます。帰省後、親御さんがびくりするほど変化して帰っていきます。
共に会話しながら食事をすることの大切さはきっと、外(生活圏外)に出たときに実感できるのだと思いますね。
最近ではスイカが木に成っていると思っている親も多いと聞きます(笑)。
人参、タマネギ、なす、トマト、そして主食である米についても、食べ物の会話がある「食意識」の高い食卓が増えるといいなって思いますね。
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